カミーノ日記2019:スペイン巡礼、フランス人の道780km + 120km

2019年4~5月、カミーノ・デ・サンティアゴ、フランス人の道を歩いてきました。ブログ内の情報はすべて2019年5月~6月時点のものです。

【Day 4: Uterga→Mañeru】誰もいない街の、サイコーに居心地のいいアルベルゲ

2019年4月21日(日)曇り

 

行程:

ウテルガ 8:00→プエンテ・ラ・レイナ10:30~11:30→マニェル13:30

移動距離:11.7km

歩数:24257歩

サンティアゴまで:678km

 

ここ2日ほど、宿問題で想定より長く歩いてるもんだから、モデルコースよりだいぶ先を進んでいる。今日はプエンテ・ラ・レイナまで7kmだけ歩いて、休養日にするつもり。

 

プエンテ・ラ・レイナは大きめの街だし、午前中に着けば、さすがに宿にあぶれることはなさそうだけど、今日はイースターサンデーなので、念のためアルベルゲを電話予約しておくことにした。ワンくんはSIMがないので、ついでに同じところを予約してあげる。「毎日、ただ行けるところまで進むのみ!」というアレックスは、がっつり夕方まで歩くらしいので、どうやらここでお別れになりそうだ。

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今日はどんより。

朝もゆっくり、8時に出発。薄曇りのなか、1人でとろとろ歩く。1時間ほど歩くとオバノスに入り、前日泊まったオバノスのアルベルゲを通過w そこからプエンテ・ラ・レイナはあっというまで、10時半には着いてしまった。

 

さすがに早すぎる... とりあえず朝ごはんでも食べるか。

 

イースターサンデーだからか、街に人影がほとんどない。くるっと一周しているときに目についたベーカリーに入ることにした。

 

クロワッサンとカフェ・コン・レチェ。クロワッサンが外パリ、中モチでめっちゃおいしい!街の人たちがひっきりなしにパンを買いにやってくるし、当たりのベーカリーだった!

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Ogipan Panadería Cafetería

 

インフォメーションセンターの2階から川を眺めてみたり、ベンチに座ってぼーっとしてみたりしたけど、アルベルゲが開くまでにはまだまだ時間がある。なんだか、もう少し歩きたい気分になってきた。Buen CaminoアプリやGoogle Mapsで、なにげなく次の街を調べてみると、とても評判のいいアルベルゲがある。泊まってみたくなった。

 

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空きがあるか電話してみると、とても明るい声のおばちゃんが「どうぞどうぞー!」と言ってくれた。申し訳ないと思いつつ、プエンテ・ラ ・レイナのアルベルゲをキャンセルし、ワンくんにも「ごめん!もうちょい先まで行きたいから、私の分のベッドだけキャンセルした」とメッセージして、マニェルに向かった。

 

ほぼ巡礼者もいない道を、緑のなか、道端に咲く花を眺めながら、ときには無心で、ときにはどうしようもないことをあれこれ考えながら、ひたすら歩いて行くのは...

 

気持ちいいいいいい!

 

よくみかけた、このプチブーケみたいな花、かわいいな...
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あの、丘の上に見える街がマニェルかな。

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マニェルは細い道が入り組んだ、おもちゃみたいな街だった。そしてやはり人影がないw

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アルベルゲあったー!

中に入ると、さっき電話で話したと思われるオスピタレラのおばちゃんが、「まあまあ、よく来たわねえ、ささ、入って入って」的な満面の笑顔で迎えてくれた。


「おなかすいてない?まずは荷物を置いて、落ち着いて、そのあともし何か食べたかったら、バルで簡単なものが食べられるから言ってね」

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この向こうが併設のバル

おばちゃんはものすごく丁寧にアルベルゲの説明をして、部屋に案内してくれた。内部は、どこもかしこも、ぴっかぴかに掃除してある。部屋に入ると、ドイツから来たというカップルが寝ころんでいたので、あいさつ代わりに「ここ、めっちゃいいアルベルゲだね!」と声をかけた。「うん、僕ら、すっかりくつろいでるよ」

 

さっそくシャワーを浴びて、2階のテラスで手洗濯。軽く何かを食べようとバルに降りた。クロケッタがいくつかショーケースにある。おばちゃんのおすすめで、パプリカのクロケッタをチョイス。温めて出してくれたパプリカのクロケッタは、クリーミーで優しい味。めっちゃおいしかった!

 

クロケッタを食べていると、なんか聞いたことのある声がする。受付のほうを見ると、パンプローナの手前で会った南アフリカ人のアンディがチェックインしてきた。 こんなところでまた会うとは。その後は誰もいない街を散策したり、アルベルゲの中庭でコーヒーを飲みながらのんびりしたり。

 

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なんか映画のセットみたいな街。

夕食は今日もメヌー。なんだかんだで、毎日メヌーを食べている...ちょっとぜいたくだけど、ホリデーでお店開いてないし、全然自炊する余裕なかったし、食べるの好きだからおいしいもの食べたいし!ここのメヌーは、シェフでもあるオスピタレロのおっちゃんが作ってくれる。明るくておしゃべりなおばちゃんと、静かににこにこしているおっちゃん、そして、ここに泊まっている巡礼者のみなさん、全員がとっても和やかな空気を生み出していて、とてもアットホームで居心地がいい、ここ!


 アンディや、部屋にいたドイツ人カップル、洗濯場で会ったフランス紳士のジェラールなど、20名くらいでテーブルを囲んだ。みんなで、カミーノのことについて話す。そういえば、最初にカミーノの体験談を聞かせてくれたオランダ人女子

「カミーノ歩いてるときは、出会う人と、もうカミーノの話しかしないの。考えてみれば異様よね。毎日、話すこと100%カミーノよ。頭の中ぜーんぶカミーノなの」

って言ってたな。

 

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「僕らは、毎日行先は一切決めないで歩いている。通りかかった街が気に入ったら、そこに泊まる感じだよ。ここもそう。1日にどれくらい歩くかを決めるんじゃなくて、実際にその街の雰囲気を感じて、その場その場で決めたいんだ。それができるのが、カミーノのいいところだよね」とドイツ人カップル。

 

「まったく同意。僕も、アルベルゲの予約はしない。カミーノは、気の赴くままに進む旅だよ。アルベルゲは予約するべきではないと思うね。そりゃ、宿が見つからなくて、体育館の床で寝るはめになったけど、僕は起こることをそのまま受け入れたいんだ」とアンディ。

 

「私は、最初の10日間はすべて宿を予約したよ。イースターで混むのはわかっていたから。心配事を抱えて進みたくはないからね」と、フランス人のジェラール。

 

熱血アレックスもそうだったけど、話をすると、それぞれがカミーノにどんな思いを抱いているのかがわかっておもしろい。

 

私も、心情的には「予定は立てずに気の向くまま進んで、気に入った街で泊まりたい」んだけど、そうはいいつつ、なんとなく先の街のことを調べたり、よさげなアルベルゲ調べたり、明日はどの辺まで...と計画をたててしまうな。カミーノではできるだけネットから離れよう、と思っていて、SNSはできるだけ見ないようにした。でも、地図を見るとそこからいろいろ調べてしまい、昔バックパックで旅行していたときみたいな、ノープラン旅がなかなかできない体になってしまった...

 

「できるだけいい思いをしたい」という煩悩が勝ってしまうのかなw

ミッションクリア型になっちゃうと、面白みや感動は減るってわかってるんだけど...

SIM仕込んできたのも善し悪しだな。デジタルデトックスって難しい!!

 

「人に出会って、自然に別れて行く。それがカミーノだよね」とアンディが言う。

うん、カミーノはひたすら出会いと別れだった。

 

 ここで会ったアンディやジェラールとは、その後何度も再会して、いつの間にか会えなくなった。写真も撮ってないし、連絡先も交換していないから、顔は忘れちゃうかもしれないし、この先つながることはないだろう。でも存在感が完全に消えることはないな。カミーノを思い出すたび、彼らのことも思い出すだろう。一緒に過ごした時間はとても短いのに、印象は強烈に残る。カミーノの出会いってなんか不思議。

 

【本日のアルベルゲ】Albergue de Peregrinos El Cantero 11ユーロ

 

小さな街の、温かなアルベルゲ。

ペレグリーノメヌー10ユーロ。オスピタレロご夫妻が最高のおもてなしをしてくれます。

  

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【Day 3: (Obanos -) Zuriáin→Uterga】昨日来た道をやり直し!菜の花畑を越えてペルドン峠へ

2019年4月20日(土)晴れ

 
 
 
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Camino Day 3 Last night, I needed to go 30km away by taxi to get a bed, and then coming back to the same point this morning to start walking again. Oh well, all the troubles may make the travel more impressive anyway. And there are always some ways to get back to the track, and I can get good company here on Camino. 昨日は宿を確保するためにタクシーで30km先の町まで行かねばならず、朝イチでまたタクシーで戻ってきて昨日の続き。でもまあ、トラブルを乗り切る仲間にも出会えたし、どーにかなるのがカミーノ。とりあえず今日は上天気だったし。 #camino #caminofrances #buencamino

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行程:

オバノス 6:30(タクシー) → スリアイン 7:00 →パンプローナ→ウテルガ 16:00

移動距離:29.1km (+タクシー30km)

歩数:49330歩

サンティアゴまで:689km

 

今朝は6時半に、スリアインに戻るためのタクシーを予約している。6時には起きようと思っていたけど、目が覚めてスマホで時間を確認すると、すでに6時15分だった。

やばし!

アレックスとワンくんはまだ爆睡している。「起きて起きて起きてー!」と起こして、あわてて身支度をする。

 

どうにか15分で荷物をまとめ、6時35分に迎えに来たタクシーで、夜明けの風景を眺めながらスリアインに戻った。これまでずっと曇り空だったけど、今日は上天気。フランス人の道の絶景スポット、ペルドン峠を通る日だから、晴れなのはうれしい!

 

「よし、じゃあウテルガのアルベルゲで落ち合おう。16時までに着かないと、予約がキャンセルされてしまうからな。一番に着いた人がちゃんと3人分ベッドを確保するように。じゃあオレは行くよ」

アレックスはターミネーターばりの力強さで、がしがしと歩き始めた。

朝、あわてて荷物を突っ込んだので、私はちゃんと荷物を詰め直してから歩き始めたかった。

「私、荷物を詰め直してから行くから、ワンも先に行ってー」

「おっけー。じゃあまたあとで」

 

 車道や川沿いの道をしばらく歩いて行くと、道端の岩に腰かけて休んでいる恰幅のいいおっちゃんがいた。「ブエン・カミーノ」と声をかけあい、なんとなく一緒に歩き始める。アンディと名乗るおっちゃんは、南アフリカから歩きにきているとのこと。

 

カミーノでの会話はだいたい、「どこ出身?」「サンティアゴまで行くの?」「今日はどこから歩いてるの?」から始まる。今朝は当然、昨晩の宿争奪戦の話で盛り上がる。アンディは、昨晩はスビリの体育館で雑魚寝したらしい。

 

「スビリでベッドにありつけなかった人が15人くらいいたから、街の人が体育館を解放してくれたんだ。近くのゲストハウスが1部屋だけ空いていたから、年配の女性が1人、そっちへ行ったけどね。ありがたかったけど、体育館は床が固くて、ほとんど寝られなかった。結局4時には起き出して、今日は早めに歩き始めたよ」

 

そういうこともあるのか。ほんと、どーにかなるもんやねえ。

 

しばらく歩くと、アーチのきれいな石橋が見えてきた。パンプローナの手前にあるアッレという街。メインルートは、石橋を渡って街を抜けるみたいだけど...

 

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「川沿いの公園を抜けていく別ルートがあるよ。ちょっと待って」

 

アンディが、John Brierleyのガイドブックを調べてくれた。このガイドブックには、ルートについて詳しい説明がある。私が持っていたのは、このガイドブックの地図の部分だけを集めた薄い本で、分岐がどことか、このルートはこういう道、とかいう説明はない。

 

地図だけの本は軽くていいけど、やっぱ説明があったほうが便利だな...、と、この後もいくつかの分岐点で思った。でもま、これ持っている人が多いから、わかんなかったら聞けばいいよね。会話のきっかけにもなるし。

 

 

 上のが詳しいガイド、下のが地図だけ。Dutch Editionとあるけど、地図とアルベルゲリストだけで文章はほとんどないし、前書きやちょっとした情報がは6か国語で書いてある。

 

アンディと一緒に別ルートを通ることにした。何にもない、視界の開けた道を通るのもよかったけど、こういう、地元の人とすれ違うような、生活圏の散歩道を歩けるのもいいなあ...

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汗だくで歩いているアンディが、「ちょっと休んでいく」というので、公園の途中で別れて、また一人で歩き始めた。アンディとは、このあとしばらくの間、あちこちで顔を合わせることになる。

 

公園はカミーノのメインルートではないので、頼みの綱のモホン(カミーノ用の道しるべ)や黄色い矢印はないし、大きな街が近づいてくると、ルートがわかりづらくなる。ときどき、ジョギングや散歩をする人に、パンプローナの方角を確認しながら進んだ。

 

どうにか迷わずパンプローナに到着。せっかくだから、ちょっと観光でもしようかと思ったけど、今日は16時までにウテルガに着かないといけないので、あまり時間がない。インフォメーションで地図だけもらって、ルート通りにさささっと旧市街を抜けながら雰囲気を楽しみ、バルで軽く朝ごはん兼ランチ(ええ、トルティージャです)を食べるくらいしかできなかった。

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旧市街を抜けると、3日前に来たバスターミナルの近くの大きな芝生に出る。そこをまっすぐ行くと、ヤマグチ公園という日本庭園のある公園や、大学があるはず、というのは地図で調べておいた。芝生のわきの道をざくざく歩いていたら、ノルディックウォーキングをしている地元のご夫婦に声をかけられた。

 

「ねえ、カミーノを歩いているなら、こっちの道じゃないよ」

 

おー、いつの間にか道外れてたの気付かなかった!

 

大きな街では、矢印やモホンの代わりに、歩道にホタテのモチーフが埋め込まれているのだけど、それでも道に迷いやすい。この後も、大きな街では気を付けているつもりでも、たいてい迷いまくったw

 

ご夫婦は、カミーノの正しいルートまで一緒に歩いてくれた。

「ほら、ここから舗道のホタテをたどって行けばいいからね。ブエン・カミーノ!」

あー、またスペインの方の親切が身に染みるー。

 

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こいつが出てくればもう安心。

パンプローナを抜けると、なだらかな緑の丘に向かう一本道になった。カミーノ!という景色。緑の麦と、菜の花の黄色と、真っ青な空がきれーい!

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ちょいちょい、散歩やジョギングをしている地元の人たちとすれ違う。ちょっと街を出れば、こんなすてきな道を散歩し放題なんて、パンプローナの人たちがうらやましくなった。

 

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パンプローナ方面を振り向いても菜の花。

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道の先にも菜の花。丘の上の風車群のあたりがペルドン峠。

あとちょっとでペルドン峠、というところまで来たとき、なにやらぶつぶつと一人でしゃべっている声が聞こえてきた。熱血ロシアン、アレックスや!

アレックスはスマホを2台持ち、昨日会ったときから、しょっちゅう動画を撮りながらカミーノを中継している。タクシーで移動している時に

「アレックスはYouTuberかなんかなん?」と訊いてみると、

「いや、家族用だよ。オレには家庭が2つあるからな」と答えが返ってきた。

家庭2つてw

 

ともあれ、彼は道端に座って休みつつ、また動画を撮影している。

「追いついたよアレックスー!あの峠もうすぐだよね?」

「おー、ミユキ!5分ほど前に、ワンもここを通っていったよ」

「思ったより時間かかっちゃった。オバノスまでは、あと8kmくらい?16時に着くの結構ギリギリかもね」

 

アレックスを置いて峠を登りきると、オブジェのところにワンくんがいた。いいとこで会ったわー!お互いに写真を撮ってもらいまくるw

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はいこれ有名なやつ。天気がよくてよかったー!

写真を撮りあっている間にアレックスもやってきて、めーっちゃ写真を撮らされたw

「撮って撮って撮りまくってくれ!いらないやつは、消しゃーいーんだからな!」

 

ここから先はずっと下りなので、ウテルガを目指して3人でもくもくと歩く。16時ぎりぎりに、どうにか予約したアルベルゲに着いた。

 

おー!受付兼バルに、「Six Ways to Santiago」のポスターが貼ってある!ここロケ地だったのかな。

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カミーノに来ようと思ったきっかけの映画です。

 

「はー、とりあえずビールだビール!うなせるべっさ、ぽるふぁぼーる!」

スペイン語はわからない、というワンくんだけど、「ビールください!」だけはめっちゃスムーズに、ナチュラルに口から出てくるw

 

アルベルゲ併設のバルでは、スビリで「もうアルベルゲないよ」と教えてくれたコリアン男子や、昨日スリアインで作戦会議をしている時に顔を合わせたコリアンボーイズ2人組と再会。コリアンボーイズ2人組は学生で、敬虔なクリスチャンらしい。片割れがジャルジャルの福徳にそっくりなので、ディナーのときにジャルジャルの写真を見せたりして、無邪気に盛り上がる。

 

ディナーのあと、中庭でコリアンボーイズと話をしていたら、10歳くらいの少年少女が、「ダンスをするから見てよ!」と、突然デュエットダンスをし始めた。すごく仲がよくて、きょうだいか友達かと思っていたら、家族で別々に来ていて、カミーノで知り合ったらしい。このあとも、ちょいちょいいろんなところで、このヤングカップルを見かけることになる。小さな恋の物語的な。はー、これがカミーノの出会いってやつかw

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だんだん顔見知りが増えてきて、楽しくなってきた。

 

【本日のアルベルゲ】Camino del Perdón 10ユーロ

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 大きな中庭とレストランがある私営アルベルゲ。ペレグリーノメヌーは14ユーロと少々お高めながら、たくさんの種類から選べるし、デザートも自家製でとてもおいしかった。中庭もかなり居心地よい。各枕元にコンセントあり。

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【Day 2: Roncesvalles→Zuriáin (- Obanos) 】どこまで歩いても宿が... な、ない...

2019年4月19日(金)曇り

 

行程:

ロンセスバージェス 6:30 → スリアイン 15:30 →(タクシー)オバノス 17:00

移動距離:31km (+タクシー30km)

歩数:54111歩

サンティアゴまで:718km

 

さー2日目!

朝はめっぽう弱いけど、6時前にすっと起きられた。筋肉痛もなく、古傷があって心配していた膝もなんともない。マメのできる気配もなし。おー、絶好調や。

 

この日も朝ごはんは食べず、まだ暗い6時半に宿を出た。5分ほど歩いた車道沿いに「Santiago de Compostelaまで790km」の看板がある。ここで、通りかかる韓国人のおっちゃんや、オーストリアカップルに次々と「写真撮ってー」と頼まれたので、なぜかしばらくカメラ係になる。

 

よーしあと790km!(車道だと)がんばって歩こー!

 

白壁に赤い屋根のメルヒェンな建物が並ぶ小さな街をいくつか抜ける。途中、ちょっと道がわからなくなったので、道端に座って地図を見ていたら、日本人の女の子が通りかかった。少しの間一緒に歩く。

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「今日はどこまで行くつもりですか?」と訊いてみた。

「宿がなくなるかもしれないって話を聞いたから、早めにスビリに着きたいんですけど、もしできたらその先まで行きたいなと思ってて。まだわからないです」

「あ、私もララソーニャまで行こうと思ってるんですよね」

「なんか、結構混んでそうで。宿予約してる人も多いみたいですよ」

 

その後、「私歩くの遅いんで先に行ってください」と言われたので、彼女とは途中で別れた。そうかーやっぱイースターだから混んでるのかな?でもスビリにはアルベルゲいくつもあるし、その次のララソーニャは5kmくらいだから、このペースで行けばなんとかなるかな。

 

やがて街を抜け、小川を越えて、

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牧場や 

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森を抜ける道に入った。前を歩くカップルが、バゲットバックパックに横倒しにのっけて歩いている。「その運び方いいですね。後ろから写真撮っていいい?」と尋ねて撮らせてもらった。

 

途中で抜けていく街がいちいちかわいい。あああもうただ歩いているだけで幸せやでー!

 

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3時間ほど歩いたところで、巡礼者でにぎわっているバルがあったので、朝ごはんとトイレ休憩をすることにした。カウンターにはトルティージャとピッチャーに入ったオレンジジュース。おー!これが噂の生絞りオレンジジュースか!飲んでみたかったやつ!

 

トルティージャとオレンジジュースを頼んで、外のテラス席に出た。両方で3.8ユーロ。昨日のオリソンの朝ごはんに比べると格段に安い!し、ボリュームもたっぷり。

 

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トルティージャは作り置きだったので、そんなに期待せずに食べてみると

 

う、うまいーーーー!!

 

スパニッシュオムレツって、こんなにおいしかったっけ?まだあったかいし!おなかすいてたし!五臓六腑に染み渡るぜちきしょー!

 

このバルでトルティージャにやられて以来、私は朝ごはんは宿ではなくバルで、あればかならずトルティージャを頼む子になりました(ハイカロリー!)

 

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Bar Dena Ona

 

おいしい朝ごはんにありついて、ご機嫌で歩いていると、SJPPで一緒に受付を済ませた韓国人青年、ワンくんに会った。足が痛くなってきたからスビリに泊まるつもり、という彼と、そのまま一緒に歩く。スビリでランチ食べない?と誘われたけど、ついさっきトルティージャを食べたばかりでおなかすいてないし、早めにララソーニャに着きたかったので、私は街にも入らずに、スビリはスルーすることにした。

 

...なので、12時前の時点でもはやスビリに空きベッドはなかった、ということなんか知らなかったよ!

 

ワンくんと別れて快調に進む。林を抜けるダートの小道を、結構でかめのリュックを背負ったうえ、巨大なソフトキャリーバッグをずるずると引きずりながら歩く男性がいた。数歩進むたびに、重そうなキャリーは倒れまくっている。オフロードでそのキャリーひきずるのはしんどいやろ。

 

私は人見知りなのだけど、カミーノではできるだけ、出会った人にはひと声だけでも声をかけようと決めていた。そーいう私にとって「ブエン・カミーノ」ってのはとてつもなく便利なことばだ。でもこの人は、エアビーかなんかに行く旅行者だろうから、ここは「ブエン・カミーノ」じゃないよな、と思って

「荷物でかいね!運びにくそうだけど、大丈夫?がんばって」と声をかけた。

「ありがとう。こんな道だとは思わなかったよ。まあ、でも歩くしかないよね」

 

 

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スビリから5kmだし、アップダウンもそんなにない割には、ララソーニャまでは結構長く感じた。14:00ごろどうにかララソーニャに着く。街の中心にあるバルは、ランチを食べる人でにぎわっていた。まずはベッド確保!と公営アルベルゲの方に歩いて行くと、若めの男子とすれ違った。

「今公営に行ったけど、リノベーションでクローズしてたよ」

まじか。

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泊まりたかったわララソーニャ!

じゃあほかの宿を当たろうと、さっきのバルまで来ると、若め男子の知り合いらしいコリアン男子が声をかけてきた。

「ここのアルベルゲはどこももう空きがないよ。最後のベッドは、さっき僕が取っちゃったんだ」

まーじーかー!

 

想定外。スビリで泊まる人多いから、ララソーニャなら余裕と思ってた...まさか公営がクローズとは...そりゃ他の宿もなくなるわな。

 

(実はスビリの公営もクローズしていた...と後で知った)

 

しかたがないので、先に進むしかない。この先は小さなアルベルゲがぽつぽつあるだけだけど、どこかしら空きはある...よね...

 

とりあえずバルでお手洗いを借りて、ちょっと速足で次の街を目指す。20分ほど歩いたところで、気が付いた。

 

トレッキングポール忘れたー!

 

さっきのバルのトイレに置いてきた!うわー、今から戻るのめんどい。でもさすがに2日めで失くすのは悲しすぎる!

 

さらに速足でララソーニャに戻り、ポールを取り戻して先を急ぐ。なんという時間のロス。はーさすがにしんどなってきたわー。

 

4km歩いて、アルベルゲが1軒あるだけのスリアインに着いた。中庭のカフェで巡礼者たちが和やかにビールなど飲んでいる。どうか、ベッドありますように、と願いつつ、アルベルゲに入ると

「満室でーす」

まーーーじーーーかーーー!

 

はーーー、もー今日は歩きたくないよー。どこまで行けば宿あるの?あー素直にスビリで泊まっとけばよかった...

 

中庭にへたりこみ、マップとアルベルゲのリストを取り出してどうしようか考えていると、ワンくんと、さっき遭遇した巨大キャリーの男性が現れた。

 

「あれ?ワンなんでここにいるの?スビリで泊まるんじゃなかったの?」

「結局ララソーニャまで行ったけど、宿がなくてここまで来たんだ。まだベッドあるかな」

「ないよ。満室だって」

「まじでー!?あー...」

 

そして、驚いたことに、旅行者だと思っていた巨大キャリー全身刺青男(疲れ果ててTシャツを脱いでいた)は、SJPPから歩いてきているというフランス人巡礼者だった。

 

!!!!

その荷物で、ピレネー越えたんかい!

つか、その荷物800km引きずるつもりだったんかい!

 

さらに一人、両腕にがっつりタトゥーのはいった、がたいのいいおっちゃんが現れた。ロシア人だという。宿なし4人組は、急遽対策会議を開いた。

 

 「しかたない。不本意だがタクシーでパンプローナまで行こう。パンプローナならどこかしらに宿はあるだろう」

「そうだね、それしかないね。じゃあ、行く前にどこか電話で予約しといたほうがいいんじゃない?」

パンプローナは大きな街だから、着いてから探せばなんとかなるはずだ。ペレグリーノは、宿の予約はするべきではない!」

「でも、着いてからあちこち探すのも大変だよ」

 

とりあえずパンプローナまでタクろう、と決めたところで、中庭の向こうのほうでずっと電話をしていた、女性の巡礼者がこちらに来た。

 

「もうパンプローナのアルベルゲも、どこもいっぱいよ。私さっきからずっと電話で空いてるところ探してたの。どうにか、オバノスって街に空きがあったから、そこを予約したわ。あなたたちも、今すぐ電話すればまだ確保できるかもよ」

 

おばのす?どこやそれ?

地図で見てみると、ここから約30km先の街だった。つか、もうほぼ2日後に行く予定のプエンテ・ラ・レイナ

 

さんじゅっきろー?そんなに進まないと宿ないのかよー!

 

 私:「あーもう素直にスビリに泊まっとけばよかったー!今からスビリに戻る?」

ロシアン:「何言ってる!ペレグリーノは常に前に進み続けるんだ!ペレグリーノは決して道を戻ったりしない!そんなのはペレグリーノとは言えない!」 

ロシアンおっちゃんのペレグリーノ精神はアツいw

キャリー:「あのさ、そもそも、スビリにももう宿ないから。僕はもともとスビリに泊まるつもりだったんだ。でも、見つからなくてここまで来たんだよ」

ワン:「ねーぐずぐずしてる間に、オバノスの宿もなくなっちゃうかもよー!」

 

ではノーチョイス!ロシアンおっちゃんがオバノスのアルベルゲに電話をしてくれた。4人まだいけるらしい。助かったー!

 

しかしここで巨大キャリー男がキレた。

 

「僕はパンプローナでタクシーを降りる。もう先には進まないよ。今日の宿がどうにかなったところで、この先ずっとこんな調子が続くのは耐えられない。巡礼はもう中止だ。飛行機でフランスに戻るよ!」

 

...うん、その方がいいかもね。何がそんなに入ってるか知らないけど、荷物1/3くらいに減らして出直したほうがよさそう...

 

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宿なし運命共同体、ワンくんと熱血アレックス。

結局4人でタクシーに乗り、巨大キャリー男をパンプローナで降ろして、ワンくんとアレックス(ロシア人)と私はオバノスに着いた。

「明日はどうする?もー明日の宿も確保しといたほうがいいよね?」

「そもそも、明日はどこからスタートするの?」

全行程を自分の脚で歩きたい、スキップはしたくない、という3人の意見は一致し、私たちは翌朝、またタクシーで30km、スリアインまで戻ることにしたw。そこから歩き直し、翌日は今日泊まるオバノスより少し手前の街、ウテルガに宿を確保。

 

はー長い1日だった...

でもまあ、どうにかなるのがカミーノ。

 

【本日のアルベルゲ】Usda(Obanos) 9ユーロ

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大部屋にずらーりと2段ベッドが並ぶアルベルゲ。オバノスは住宅街っぽい新しい街だし、プエンテ・ラ ・レイナから3kmくらい手前にあるので、ベッド確保には穴場のとこかも。

 

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【Day 1: SJPP→Roncesvalles】吹っ飛ばされそうな強風!凧気分満喫の1日目

 2019年4月18日(木)曇り→雨→曇り

 

 

行程:

SJPP 7:00 → ロンセスバージェス 14:30

移動距離:25.1km

歩数:41060歩

サンティアゴまで:749km

 

 

さー今日から本番!

6時に起きてみたものの、部屋は相変わらず静かで、無言のまま出発準備をする。なんかフツーにバックパッカー旅をしてるときと変わらない感じ。ただ、まだ手慣れてないし、もたもた支度していたので、出発は7時になってしまった。

 

朝食も頼まなかったので、小さなキッチンを抜けて、朝食準備をしていた宿主に「ありがとー。行ってきまーす」と言うと、「ブエン・カミーノ」と送り出された。はぢめての「ブエン・カミーノ」、いただきました。

 

まだちょっと薄暗い。旧市街に入ると、ペレグリーノのみなさんがぽつぽつ歩いている。

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ロンセスバージェスまでの道のりは、昨日巡礼事務所のスタッフが写真入りの地図を示しながら、迷いやすいポイントを説明してくれた。なので今日はこれを見ながら行けば大丈夫でしょう。

 

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進むのは左の赤いほうの道、ナポレオンルート。

オリソンまでの8kmほどは、舗装された道を進んでいく。ずっと登りではあるけど、小さなかわいい家が建ち並んでいてお散歩気分。ホタテをぶら下げたバックパックをかついで歩く人を見ながら「あー、ほんとに来たんだなー」とか「でもなんかあんまり現実感ないな」とか思いつつ、もくもくと進む。

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曇ってるけど視界は良好。緑がきれいやねー。

オリソンに着くころには、だいぶ風が強くなってきた。昨日パンプローナで買ったパンとハムで、一応サンドイッチは用意していたけど、お手洗いにも行っておきたいので、アルベルゲ併設のカフェで朝ごはんを食べることにした。

 

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結構あっさりオリソン着いたよー。風が強すぎてテラスは無人

ちょっとお高めのサンドイッチとコーヒーを買って、巡礼者ウォッチングをしながら朝ごはん。結構グループで来ている人が多い。

 

韓国人が多いと聞いていたけど、ほんと多いな。ここでは日本人はみかけなかった。カウンターのほうを見ると、全身黒で決めて、色白で、めちゃくちゃアンニュイな感じの東洋系美女がいた。うわー細い!きれいな人だなー。目が釘付けー!モデルさんみたい。ちょっとハーフっぽいけどどこの国の人だろう...。彼氏と来てるのかなー?この人もサンティアゴまで歩くのかなー...わしゃナンパ師か!

 

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やだ、無意識のうちにキャプチャってたわアンニュイ美女w


外にひとつしかないトイレに並び、30分ほど休憩して山道に入った。ここから先トイレはないんだよね。なんかトイレの心配ばっかしちゃうな。

 

標高も高くなってきたし、なにより風がすごくなってきた。全然暑くないのはいいけど、向かい、風、が、す、ご、いーーーーー!進めねぇ!

 

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「山道」だし、「フランス人の道で初日が一番キツい」と聞いていたので、ガレ場とか急な登りの森を抜け...みたいな感じをイメージしていたけど、ほとんどは視界が開けた、なだらかな登りの峠越えだった。眺めのいい高いところが好きなので、だらだら登りは、思ったより苦にならなかった。

 

ただね。

視界が開けた=木がない分、ほんとに、風が...つ、よ、す、ぎ、じゃー!

 

吹っ飛ばされるー!

思いっきり前のめりになっても倒れないくらいの向かい風!

今、私凧になれる!!

 

後に会った人は、実際にこの道で、風に眼鏡を持っていかれたそうですw

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写真では穏やかそうですが風びゅーびゅー。

峠付近の避難小屋ではついに雨も降りだした。最後に急遽追加したポンチョがさっそく役に立つ!とはいえ、風ではためくから、レインウェアとザックカバーの上からの2枚重ね。ポンチョ着たら、ますます凧の気持ちわかるわ。

 

あー、ここ青空だったらさぞかしきれいなんだろーな、でも霧かかってなくて周囲を見渡せるだけ恵まれてる。とにかく向かい風のなか歩くのに必死で、特にもの思いにふけることもなく、休憩をとることもなく、一心不乱に歩き続けていたら...

 

峠を越えて、下りになり始め、いつのまにかロンセスバージェスに着いていた。あれ、もう着いたん?時間は14:30。意外とあっさり着いて正直拍子抜け...

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これが噂の巨大アルベルゲ。

少し太陽も顔を見せ始めていた。とりあえずアルベルゲに向かうと、受付がまだ始まっていないようで、20人ほどが列を作っていた。思ってたより人少ない。初日の宿は余裕やったな。食べるチャンスがなくて、丸1日持ち歩いていたサンドイッチをかじりつつ、列に並ぶ。

 

受け付けは14:00からなんだけど、システムがダウンして受付開始が遅れているという。私より前に並んでいる人が、職員に質問していた。

 

「待つのはいいけど、ベッドはあるんだろうね?」

 

ここ、200人くらい泊まれるアルベルゲやで。まだ20人くらいしか並んでないのに、心配性やなー、まだ余裕やん?と私は思っていたのだけど、私はまだ知らなかった。ここが公営でも予約できるアルベルゲで、実は、もうこの日から、宿争奪戦は始まっていたということを...

 

15時をまわってようやくチェックイン。映画でみたような大部屋ではなくて、小さな区画に分けられていて、モダンできれいなアルベルゲだー。ゆっくり寝られそう。同じ区画には、イースターホリデーの5日間だけ歩くというスペイン人学生のグループがいた。

 

シャワーをして、手洗濯をして、16:00すぎに、ちょこっと街のお散歩に出かけた。アルベルゲの入り口に「Completo」と貼ってある。わー、こんな大バコのアルベルゲでも、もう満室になるのかー。でもこの街はアルベルゲが1つしかないし、みんなここに来るからだよね。明日はスビリに行く人が多いから、もうひとつ先のララソーニャまで行っちゃいたいな。ま、アルベルゲいくつもあるから、早めに着くようにすれば大丈夫でしょう。

 

あまーーーーい!

 

翌日、2日目にして早くも宿難民になるとは、このときはまだ想像もしていなかった。

 

【本日のアルベルゲ】

Albergue de peregrinos de Orreaga / Roncesvalles 12ユーロ

1日目(オリソン泊の人は2日目)はほとんどの人が目指すであろう巨大アルベルゲ。近くにほかのアルベルゲはないので、春~夏は予約したほうがよさそうです。公営ですが予約できます。

 

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トイレやシャワーもモダンで、明るくてきれい。大きなキッチンもあるけど、一番近いスーパーまで3kmほどある。食材を持ってきたグループは自炊をしていた。ごはんは近所にあるレストランで10ユーロのペレグリーノメヌーを食べられる。私はソロなので、ブラジルから来たというおっちゃん3人組の席に混ぜてもらった。初ペレグリーノメヌー、ボリュームもたっぷりでおいしかったです。地下に洗濯場あり。


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マドリードからSJPPまではどうやって行く?(あと、Renfeの予約はスマホサイトがおすすめ!)

マドリードからSJPPには、バス、電車のどちらを使うにしても、パンプローナでバスに乗り換えが必要。

 

バスも、スペインの鉄道Renfeも、空き状況に応じて大幅に割引される。早めに買えば通常価格の50%近く割引されることもあるので、日程が決まっているなら早めに買うが吉(ただし、割引率が高いとキャンセルや変更ができないなどの制限が課せられるので注意)。

 

2019年8月現在、適当な日付を入れて調べてみると、マドリードからパンプローナへの運賃は

 

バス:23ユーロ~53ユーロ

電車:23.8ユーロ~54.2ユーロ

 

ほとんど変わりませんね。ただ、乗車時間は大幅に違う。

 

バス:便にもよるけどだいたい5~6時間

電車:便にもよるけどだいたい3~4時間

 

圧倒的に電車が早い。

 

ただ、こちらの記事に書いたように、鉄道駅からバスターミナルへは結構距離があり、歩くと30分くらい、もしくは市バスを使って移動する必要があります。

 

「時間かかっても、パンプローナで移動したくない」というならバスのほうがよさそう。あと、時間とお金を節約したければ、夜行バスを使うのも手。

 

私はRenfeを使ったので、ここからはRenfe+バスでの行き方を説明します。

 

パンプローナからSJPPへのバスは1日4本程度なので、まずはこちらの時間を調べてからマドリードの出発時間を決めましょう。こちらのサイトが見やすいかと。

Bus Pamplona → Saint Jean Pied de Port from 22 €

 

2019年8月現在、パンプローナ発は10:00、12:00、14:30、17:30。SJPPまでは1時間45分ほどかかります。料金は22ユーロ。

 

Renfeの予約サイトはこちら(英語版)

http://www.renfe.com/EN/viajeros/index.html

 

Renfeだと、実質、マドリード7:00発11:17着、もしくは11:35発14:40着の2択になります。どっちにしても、パンプローナで乗り継ぎの待ち時間がかなりできることになる。

 

私は、朝バタバタするのがいやだったので、11:35発でゆっくり行くことにしましたが、これだとSJPPに着くのが19時を過ぎます。結果、SJPPでは巡礼事務所に行って晩御飯食べただけで終わりました。なので、SJPPを観光したいという場合は、朝7時の電車にしたほうがよいです。もしくは、パンプローナまたはSJPPで1泊するか。

 

さて、Renfeのチケットは、日本からオンライン予約できるし、チケットもeチケットを印刷しておけば、駅で発券しなおすことなく、そのまま改札を通れます。日本語サイトはありませんが(代理店のサイトなら日本語もありますが、予約手数料が必要です)、英語サイトはあり。

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出発地、到着地、日付、人数などを入れて [BUY] をクリックすれば、予約可能な電車が一覧表示されます。日付は適当に入れました。

 

右端にある「+」をクリックすると、その便の詳細や条件を確認できます(英語サイトから入っても、結局ここからはスペイン語になりますw)

 

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詳細を開いた状態で、右下に紫で表示されている [SELECCIONAR] (選択)をクリックすれば、購入手続きに進める...

 

と思うでしょ?

 

ところがなかなか行けないんですよこれが...(PCサイトの話です)

何度やっても、ブラウザを変えてみても、こんな画面が表示されてエラーになる...

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最初は、通信状態のせいかな、サイトメンテかな、と思って、時間をおいてみたり、翌日やり直してみたり、いろいろしましたが、私の環境ではもうこれ以上進むことはできませんでした...(数か月後の今やり直してもこれだもんねw)

 

ただ、調べてみると、便の選択ができて、「購入画面まで進めた」という人も多いようなので、これは個人の環境によるのかもしれません。とはいえ、購入画面からカード入力でまた苦戦する方も多いようですw。この回避策の情報は検索でめっちゃ見つかります。私はそこまでたどり着けなかったので、この先のことは割愛します。

 

ああ、もう日本から予約はムリなのかー。代理店サイトで手数料払って予約するかなー、バスにするかなー、どうしよー、と思いつつ、しつこく「Renfe、error」とかなんとかのキーワードで検索していると、「RenfeのPCサイトはエラーが多いけど、スマホから簡単に予約できた」との情報が。

 

だめもとでスマホサイトで予約してみたら、なーーーーんのエラーも出ず、あっさり予約できました。念のため、今また途中まで予約してみたらさくさくあっさり。入力項目や手順は、PCサイトと同じです。

 

ですので、Renfeを予約する際には、PCサイトではなく、スマホサイトを使うのがおすすめです!Renfeのアプリもありますが、アプリを入れなくても、スマホのブラウザで使うスマホサイトで大丈夫です。まあ、Renfeをよく使う方は、アプリ入れたほうが何かと便利かと思いますが。


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余談ですが、私のスマホではデフォルトでスペイン語サイトが勝手に機械翻訳されちゃうんですが、「Origen(出発)」が「起源」、「Distine(到着)」が「運命」になってるの笑うwww

なんか、霞食って進むレベルの、高尚な旅に出る気になってくるやんwww

 

【Day 0: Madrid→SJPP】いきなり電車に乗り遅れそうに!そしてバスターミナルどこー?

 2019年4月17日(水)晴れ 

 

行程:

【Renfe】マドリード・アトーチャ駅 11:35 → パンプローナ駅 14:40 

【バス】パンプローナバスターミナル 17:30  → サン・ジャン・ピエ・ド・ポー 19:15

 

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 昨日1日マドリードでぷらぷらして過ごし、今日からいよいよフランス人の道のスタート地点、サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(長いからもう略してるけど、以下SJPPね)に向かう。高鳴る~!

 

バスと電車(Renfe)、どちらで行こうかなと思ったけど、どちらにしても乗り換えが必要だし、調べた時点では(1か月半くらい前)、鉄道のチケットがまだかなり割安だったので、鉄道+バスにした。

 

あ、ちなみにRenfeのチケットは国外からもネットで買えるけど、PCサイトはエラー多発するので、スマホサイト推奨です!後日もうちょい詳しく書きますね。

 

 ゆっくりめの出発なので、まだ本番仕様のバックパックと靴で歩いていないことだし、宿からアトーチャ駅まで歩いて行くことにした。地下鉄3駅分。歩いて20分くらいで着くはず。お天気はいいし、空気はさわやかだし、さすがにここではまだトレッキングポールは使わないけど、もはやカミーノを歩いている気分やー!

 

はりきってだいぶ早めに出てきたので、駅前でカラマリ(イカリング)サンドを食べてもまだ時間があまりまくり。 

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マドリードが誇るB級グルメ、カラマリサンド(ハーフサイズ)。うまー!

実はわたくし、乗り遅れないように早めに着いていろいろ確認したはずなのに、いろいろ確認しすぎて、あやうく電車に乗り遅れるところでしたw (以下、小文字は振り返り時の心の声です)

 

まずは駅1階のインフォメーションで、プリントアウトしたeチケットを見せて、チケットを引き換えることなくこのまま入れることを確認。インフォメの人に「この通路をまっすぐ行って、左に入り口があるからそこから入ってね」と言われた。一応その入り口も確認。係の人がチケットと荷物のチェックをしているので、ちょっとした列ができている。早めに来たほうがいいね。おし!これで万全!(←どこがやー)

 

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アトーチャ駅の内部は吹き抜けで解放感があるので、上から見下ろしたくなって2階に上がってみたり(←余計なことを...)。2階にも、チケットをチェックしている入り口がある。こっちのほうが少しすいているみたい。まだまだ時間があるので、構内のカフェでお茶をすることにした。

 

並ぶからちょっと早めに入っておこうと、カフェを出てチケットチェックの入り口に向かう。2階の入り口のほうがすいてたし、目の前に2階に行けるながーいエスカレーターがあったので、上の入り口から入ろうと思った。おーい、お姉さん、「1階の通路の左から入ってね」って言ってたやろ!

 

2階の入り口で、印刷したeチケットを見せ、無事入場。プラットフォームへのゲートはガラス張りになっていて、改札が始まったら掲示板にプラットフォーム番号が表示される。1階には、ゲートを抜けてエスカレーターで降りる仕様。

 

スクリーンに、11:35発のパンプローナ行きも表示されているのを確認。でも、出発時間が後の電車のプラットフォームが表示されるのに、パンプローナ行きはいつまでたっても番号が表示されない。

 

まあ、遅れるのはよくあるよね。

あー、掲示スペイン語だけか。でも、乗る予定の電車が表示されてるんだから、だいじょぶだいじょぶ。

 

...うーん、でも遅すぎない?遅くなるなら「遅延」みたいな表示がされるよね...

 

「スペインの鉄道だし遅れて当たり前ー」などと勝手に思い込んでいた私は、出発予定時刻5分前まで、のんびり待っていた。でもさ、さすがに5分前になんも表示されないと不安になるよねー(実は表示されてたんだけどね)

 

他の電車の改札ゲートにいた駅員さんに、「これに乗りたいんだけど、改札まだですかー?」とチケットを見せてみた。駅員さん、ちょっとヤバ、みたいな顔になって、鍵をひっつかんで違うガラスゲートに向かう。

 

「このエスカレーター降りて!ほら、あの停まってる電車だから!急いでね!」と、無人のガラスゲートの鍵を開けてくれた。

 

えーーー!改札始まっとったんかい!つか、みんな1階におるやん!

 

あわててゲートを抜け、動いていないエスカレーターを駆け下りて、ギリ電車に乗った。あぶなかったー!

 

私はとんでもないミスをしていました。

 

そもそも、窓口のお姉さんのいうとおり、1階の入り口から入らなければいけなかった。

 

そして、勝手に「アトーチャなら英語表記あるだろう」と思っていたのも間違い!

 

さらに、英語表記はないけど、乗る電車は掲示板に表示されてるし、プラットフォームの番号さえわかればだいじょぶ、と思ってたのもあまーい!

 

プラットフォームの番号が表示されないなーと思っていた掲示板には、実はずっと

Planta Baja

という文字が表示されていたのでした...これ、つまり「1階」という意味。うええん読めなかったよ...

 

2階の改札を抜けてから、エスカレーターで1階に降りるシステムだと思っていたけど、どうやら1階と2階で、改札口は完全に分かれているらしい。うわあん知らなかったよ...

 

空港に引き続き、「最低限のスペイン語覚えとけ」の洗礼を受けました。

Planta Baja(1階)

Planta Primera(2階)

アトーチャ行くなら覚えておこう...

 

というわけで、すごく早めに着いて、改札も確認していたくせに、全然万全ではなかった...

 

【教訓】

駅の人のいうことにはちゃんと従おう

旅行に必要なスペイン語の単語くらいは覚えておこう

「ん?」と思ったら早めに尋ねよう

 

...アホやな。

 

ともあれ。どうにか電車に乗り、車窓から緑の大地の風景を眺めながら「あんなとこ歩いちゃうのかー、わくわく」とテンション上がる。

 

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ちゃらっちゃちゃっちゃちゃ~ら~♪(世界の車窓から


 電車は遅れることもなく、14時40分にパンプローナ着。

イメージでは、バックパックをかついだ人がぞろぞろとバスターミナルへ移動...と思っていたけど、そうでもない。ふつーに旅行者のみなさんが多く、あっという間に散り散りバラバラに。そうだ今イースターホリデーの時期だ。

 

さて。バスターミナルどこや。

Googleマップで調べてみるけど、方角がいまいちわからん(超方向音痴)。

 

それっぽい人もいないしなー。とりあえず地元っぽい人に「SJPP行くバスどこから出ますか?」ときいてみたけど、知らないと言われる。

 

乗り継ぎ時間はめっちゃあるので、あせる必要はないけど、さてどっちに向かおう。適当に歩き出して、きょろきょろしてると、ようやく、でかいバックパックをかついで木の杖をついた、ご夫婦らしき2人連れを発見。

 

初めて遭遇した巡礼者!おおお嬉しい!

 

ご夫婦もバスターミナルに行くというので、付いて行く。ご夫婦はスペイン人だったけど、パンプローナは初めてのようで、やはり迷う。途中地元の人に方向を尋ねつつ、ようやくたどり着いた。あースペインの方と一緒でよかった...。20分以上歩いた気がする。バスターミナル、結構遠かったのね...

 

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第1巡礼者に遭遇!

 
待ち時間が2時間以上あるので、ターミナルでご夫婦と別れて、そのへんをぶらぶらしてサンドイッチを買い、ターミナル横の芝生でいただく。

 

はー天気いい。ここ、3日めにまた来るんだよね。もーわくわくが止まらん。 f:id:pechinda:20190802014025j:plain

 

17時半、ほぼ満員のバスに乗ってSJPPへ。みんな、きっと明日から歩き始めるんだねえ同期だねえ、と一人脳内で盛り上がり、窓から見えるかわいい街並みを見ながら「...けっこう遠いな、これほんとに3日で歩けるの?」とか思いながら、いつの間にか国境を越え、

 

SJPP到着!

 

まだ明るいけど、もう19時を過ぎている。今日の宿は予約してあるので、先に巡礼事務所に行って、クレデンシャルと資料をもらい、説明を受ける。後ろに韓国人青年が並んでいたので、一緒に受付をしてもらった。1週間ほど前には寒波が来ていて、雪が降ったらしいので、山道のナポレオンルートを通れるかが心配だったけど、あいているし天気も大丈夫そう。よかった!

 

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スタンプをもらって、ホタテを選んだ。ぱっと目についたピンクの貝殻。思ったよりでかい。

 

荷物の重さを計ろうと思ったけど、はかりがどこにあるかわからなかった。巡礼者が並んでいて、事務所の人たちは忙しそうだったので、そのまま外に出る。予約していたアルベルゲにチェックインしたものの、結構すいてる。といいますか、がらがら。そして部屋には荷物だけで、誰もいない。映画で見たようなアルベルゲのような雰囲気ではなく、ごく普通のホステルだったので、ちょっと拍子抜け。

 

でも、イースターホリデーにかぶった割には、アルベルゲも街もそんなに混んでる感じしないし、「フランス人の道は人気だから宿がみつからないこともあるよ!」と聞いていたから、それが一番心配だったけど、なんか大丈夫そう!

 

と思っていたねこの時はw(あまーい!)

 

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着いたのが遅くて、SJPPを見る時間がほとんどなくて残念...

 

さーーー!明日からいよいよ本番!早く寝よ。

 

【本日のアルベルゲ】

Gite Izaxulo 19ユーロ

イースターホリデーの時期なので、あらかじめbooking.comで予約しておいた宿。

旧市街を出てすぐのところにあって、モダンできれい。カミーノ感はあんまりなかった。

 

一緒に説明を聞いた韓国人青年ワンくんは、巡礼事務所で15ユーロ朝ごはん付きのアルベルゲを紹介してもらっていた。booking.comだと私営のみで手数料も入るので、どうしても割高になる。アルベルゲはたくさんあるから、早めの時間に着くなら、当日、巡礼事務所で紹介してもらったり、飛び込みで探すほうがよいかもしれない。ただし、時期によっては全部満室、なんてこともなきにしもあらず。

 

 

【カミーノ前】マドリードに着くなり、スペイン人の親切さに感動

...ここからようやくカミーノ日記です。

カミーノ中は、毎日1枚だけ、その日一番印象的だった風景をInstagramにアップしていました。なので、このあとの日記は、当時のインスタを埋め込みつつ書いていこうと思ってます。

 

今日はその前に、マドリード到着時のことを。

 

2019年4月15日(月) 晴れ

 

夜20時過ぎ。ヘルシンキ経由でマドリードの空港に着いた。

ここから今日のお宿のペンション・アルボル・デル・ハポンさん(残念ながら閉業されました)に移動。私は今回、カミーノ後にポルトガルにしばらく滞在する予定なので、バックパックの他にスーツケースも持ってきている。アルボルさんは、なんと、宿泊したうえで後日分の宿泊予約をすると、それまでの間、荷物を預かってくださるのです。数日ならともかく、「カミーノ行くのですが、5週間くらい預かっていただくこともできるのですか?」と事前に問い合わせたところ「可能です」とのお返事をいただいた。サンティアゴ・デ・コンポステーラに荷物を送って預かってもらうサービスなどもあるけど、PCがあるので、できれば郵送などはしたくなかった。なので、めっちゃ助かりまーーーーーーす!

 

マドリードINにしたのは、このサービスがあったからというとこが大きい。

 

お宿には鉄道+メトロで向かおうと、どでかい荷物をひきずって鉄道駅へ。空港直結の駅なのに、あんまり鉄道駅に向かう人はいない。券売機でチケットを買おうとしたけど、英語表示が機能せず(空港なのに?)、買い方がさっぱりわからず。

 

え?なんで?

 

自分では、海外旅行は慣れていると思ったし、スペイン語はわからないけど、英語表示に切り替えればなんとかなると思っていて、あまり切符の買い方などの下調べはしなかった。あーーー、やっぱり必要最低限の現地語は必要だなー。英語にばっか頼ってはいかんのかー。

 

しばらくいろいろいじってみるも、周囲に尋ねられそうな人もおらず、あきらめて窓口へ。ここではあっさり買えた。初めからこっちに来ればよかった...

 

【教訓】スペイン語がわからない場合、空港駅での切符は有人窓口で買おう。

 

マドリード。「治安があまりよろしくない」とか「メトロにはスリが多い」とかきく。でもまあ、特に不安になる要素もなく、順調に宿の最寄り駅に着いた。

 

が、最寄り駅にはエスカレーターもエレベーターもなく、階段のみ。うわー、ほかの出口ならどっかにエレベーターあるのかな?でも宿に一番近いのこの出口だから、やっぱここから出よう...。PC等が入った7kgのバックパックを背負い、20kgのスーツケースを持ち上げようと、階段の下で荷物に手をかけた瞬間。

 

「あー、持ってあげるよ」

 

すぐさま、お兄さんが寄ってきて、重たいスーツケースを持って階段を上がってくれた。うわあああなんて親切なのー!めっちゃ重たいのにー。こんな都会なのにー。都会の人は冷たいなんてウソやーん!

 

階段を上がってお礼を言うと、お兄さんは「いーのいーの」と言い残して軽やかに去って行った。この「なんでもない」感。すばらしい...

 

ありがたやー、と思って改札を抜けると、地上までまた階段がある。さて、じゃあ行くか、と荷物に手をかけたその瞬間。

 

「待ってー、持ってあげる」

 

と、こんどはお姉さん(!)が寄ってきてくれた。続いて、もう一人別のお兄さんも。他人の2人が、私の荷物を一緒に持って上がってくれてるやないの!

 

スペイン人たち、なんという親切さん!2回とも私がスーツケースを持ち上げてもいないのに手伝ってくれた。ごくごく当たり前のように。

 

マドリード治安悪いっていうから気を付けよう、とやや構えていたところで、ある意味拍子抜け(もちろん気を付けるに越したことはないけど)。ちょっとしたことで、その国の印象が決まるって実感。すっごく嬉しかったので、こーゆーとこ見習おうよ!受けた親切はほかで還していこう、と思った。

 

びばマドリー!