2019年4月22日(月)晴れ
行程:
マニェル 7:15→シラウキ→ロルカ→エステージャ 12:00
移動距離:16.7km
歩数:27000歩
サンティアゴまで:660km
7:15、今日も朝ごはんを食べずに宿を出る。マニェルの街を抜けると、すぐ麦畑が広がっていた。
この角を曲がったところで、ワンくんが道端に座って朝ごはんを食べていた。なんだかんだで、ワンくんとは、SJPPから毎日顔を合わせてるな。
朝の空気は冷たくて気持ちいいなー。次の街のシラウキは3kmも離れていないから、すぐに見えてくる。
とてもかわいい街だけど、まだ1時間も歩いていないので、休憩はしなかった。朝は、だいたい2~3時間歩いたところで、朝ごはん+トイレ休憩を兼ねてバルに入りたいのです。
パンプローナ以降、視界の開けた道が続いて、内なるテンションが上がりまくる。ただ歩いてるだけなのに幸せだわー。
しばらく歩いていると、手作り感あふれる看板があった。
看板、拡大します。
そのまま進んでいくと、木立の中にかわいい休憩スペースが!
いやーなにこれステキ。にこにこしちゃう。しばらく写真を撮りながらうろうろ。
すると、やはり極楽に吸い込まれた韓国人のおばちゃんが近づいてきて、私に紫の花の小枝を差し出してきた。身振り手振りで、いい香りだから、持っていきな、といってくれているらしい。
嗅いでみるとすっきりとしたよい香り。植物に詳しくないから、花の名前はわからないけど、アロマだったら「Refleshing」とでも名付けられそうな感じ。
嬉しくなって、手に持ったまま歩くことにした。
いやー、今日もいい日だ!
やがてロルカの街に入ったので、ここで朝ごはんをすることに。バルが2軒向かい合っていたけど、左のバルにアンディがいたのでそちらに入る。やがてジェラールもやってきた。「おー、また会ったね~」とあいさつして、相席させてもらったり、別々の席に座ったり。この、つかず離れずのカミーノの距離感、ちょうどいい。
ときどき小枝を嗅ぎながら(やばい人みたい)、ご機嫌で歩く。途中で、道端で休憩している日本人の男性に会った。挨拶だけして先に進む。
12時を過ぎたころ、エステージャに到着。川が流れていて、すてきな石橋があって、落ち着いた、雰囲気のいい街!
公営のアルベルゲが空くのを待っていたアンディに手を振って、石橋を渡って街の奥に進む。今日は、ドナティーボ(寄付制)のアルベルゲに泊まるつもりだった。寄付制のアルベルゲでは、宿泊者みんなで夕食を作ったりもするらしい。なんか楽しそうやん?
受付開始は13時から。庭に、全身タイトな黒い服でキメた女の子が一人座っていた。ジョン・レノンばりの丸いサングラスをかけている。なんか雰囲気ある子だなー...あ!
オリソンで見かけた、アンニュイ美女やん!うわーお話できる。嬉しいw
「あのー、アルベルゲが開くの待ってるの?」と訊いてみた。
「ええ。1時に開くはずだから」
「そっか。どこから来たの?」
「コリア」
(アンニュイ美女のセリフは、吐息交じりのアンニュイなトーンを想像してお読みください)
韓国の人だったのかー!でも、「韓国美女」とは違うタイプの美人さんやなー。どっちかというと、フランスの女優さんのような雰囲気。若いころのイザベル・アジャーニに似てる。
アルベルゲにはまだスタッフは来ていないけど、庭の洗濯物干場が空いていた。なんとなくアンニュイ美女に話しかけるように「洗濯物干さしてもらうねー」と言って、生乾きの洗濯物を取り出した。
「私もそこに干してるの。ね、私、今日洗濯機を使おうと思うんだけど、よかったら後で一緒に使わない?」
「わー使いたい!ちょうど洗濯したかったんだ。ところでお名前は...」
「(吐息交じりでー)ミエよ」
ああああ、しゃべり方もアンニュイでいいわー。ミエかー。覚えやすい。
まだ少し時間があるから、ちょっと買い物に行ってくる、と言って、ミエは街に出て行った。
入れ違いに、さっき道で会った日本人男性がやってきたので、その男性、カナイさんとオープンまでいろいろ話しながら時間をつぶす。13時を少し回ったところで、アルベルゲのスタッフがやってきた。
質素な造りだけど、きれいに掃除されていて、ベッドルームも大きな窓があって明るい。入り口の壁に郵便受けみたいな「寄付金箱」が設置してあるので、ここに任意で寄付金を入れる。
洗濯機はひとつしかなかったので、ミエと一緒に一番に使わせてもらった。シャワーを浴びて出てくると、ミエがキッチンでなにやら作っている。
「ランチにパスタ作ってるんだけど、よかったら食べる?たくさんできちゃうから...」
うわーありがたい!食べる食べるー!カミーノではよく自炊するの?と訊いてみると
「ほとんど作らないけど、なんか今日は作りたい気分だったの」
おお、なんてラッキー。
カナイさんと一緒に、ミエたんの手料理をいただいてしまった。幸せ。彼女は以前北の道を歩いたことがあるそうで、今回は休みの都合で2週間だけ歩きに来ているらしい。
材料費をシェアさせて、というと、常にアンニュイ&クールな表情だったミエはにっこり笑った。
「いいのよそんなの。だって、カミーノじゃない」
撃ち抜かれたー!この「It's Camino...」の絶妙アンニュイな言い方と、笑顔に撃ち抜かれたー!!
私が男だったら、もしくはレズビアンだったら、今この場で恋に落ちてるよ!カミーノで恋に落ちる瞬間がわかったよ!つか、私もこのトーンで「いっつ、かみーの...」ってゆーてみたい!
と、脳内でミエたんかわいいミエたんかわいい💛となっていたのを、ここで告白します...ミエたんかわいい...
しかも、そのあと、彼女はフレンチカナディアン3人衆と、流ちょうなフランス語で会話をしていた。「以前、留学していたから...」だそうで。あなた、フランス語似合いすぎるのよ...
だいぶコーフンしてしまったのでw、その後ひとりで散歩に出かけた。エステージャの街好きだなー。だいたい、きれいな川があって大きな公園がある街は気に入ってしまう。街の規模が大きすぎず、小さすぎず。こういうところに住んでみたいなー。
カミーノを歩き始める前は、早く着きすぎてもヒマだし、夕方くらいまで歩こうと思っていたんだけど、こうして昼過ぎくらいに着いて、のんびりするのいいなあ。毎日14時くらいまでには街に着きたいなあ、と思うようになった。
甘いものが食べたくなって、川を望める、居心地のよさそうな明るいベーカリーで、ナポリターナ(巨大チョコクロ)を食べながら、日記を書いたり、翌日の道を調べたり。
表からにぎやかな音楽が聞こえてきたので、出てみるとパレードが行われていた。
いやー、今日もいい日だ(2回目)!
【本日のアルベルゲ】Albergue Parroquial de Peregrinos
宿泊代は寄付制で、朝食付き。セルフサービスでパンやクッキー、ドリンクなどをいただけます。夕食はつかないので各自。キッチンはあるけど、二人立ったらキツキツくらいの、家庭用サイズ。ただしキッチンと別に、ラウンジに電子レンジやトースターあり。
ボランティアのスタッフさんが親切で、ベッドルームは清潔だし、居心地のいいラウンジや庭があって、とってもくつろげます。
カミーノアプリではWiFiなしと表示されているけど、WiFiもありました。
余談:
この日は夕食に、カルフールで売っていたプライベートブランドのパエリア(電子レンジで温めるだけのやつ)とプチトマトを食べてみたのですが、このカルフールのパエリア(Arroz a banda)、値段が2ユーロ足らずなのに、とてもおいしいので激押し!!カルフールをみかけたら、ぜひお試しを。
余談2:ミエには、これ以降は会えませんでした😢