【Day 8: Logroño→Ventosa】中庭でひなたぼっこと、摘みたてのミント
2019年4月25日(木)晴れ。風強し!そしてにわか雨、からのまた晴れ。
行程:
ログローニョ 8:10→ナバレッテ→ベントーサ 13:00
移動距離:18.4km
歩数:32012歩
サンティアゴまで:594km(600km切った!)
今日は朝ごはんつきなので、アルベルゲ2階の共有スペースでゆっくりパンなどいただく。いつもは朝早く出かけるアヤさんも、まだテーブルにいた。隣どうしで朝ごはんを食べていると、近くに座っていたスペイン人女性が「あなたたちは日本人?日本人なら、温泉は好きでしょ?」と、スペイン各地の温泉地をいろいろ教えてくれた。そんなこんなで今日もゆっくりスタートになり、アヤさんと一緒にアルベルゲを出た。
日本語でべらべらしゃべりながら歩けるの楽しい。アヤさんは会社員ながら、長期休みが取れるので、SJPPからサンティアゴまで行く予定だそう。シベリア鉄道で旅行したこともあるとのことで、聞いていたらめっちゃ乗ってみたくなった!あと、私たちふたりとも、高橋由香利さんの「トルコで私も考えた」という漫画のファンで、神戸にあった高橋さんのトルコ料理屋の話で盛り上がったり(現在はもう閉店しています)。女子トーク!
ログローニョの街を抜けると大きな池があった。
川はよく通るけど、こんな水場はカミーノではあんまり遭遇しない景色。風がなくて水面が鏡状になっていてきれい。しばし見とれる。
ログローニョ手前で、ワインの産地ラ・リオハ州に入ったので、ぶどう畑やワイナリーをよくみかけるようになった。
しゃべりながら歩くとあっという間。ナバレッテの街が見えてきた。
お天気もいいし、のんびりしていて好きな雰囲気の街なので、お茶休憩。アヤさんはそのまま進むというのでここでまたお別れ。
モデルプランではログローニョからナヘラまで、29km弱で行く行程だけど、のんびり景色を楽しみながら歩きたいので、今日は丘の上にある次の街、ベントーサで泊まることにした。
道の途中で、オランダから来たという女性と同じペースになったので、なんとなく雑談しながら進む。娘さんが日本に留学していて、ちょうど今熊野古道を歩いているとのこと。母子で同時にデュアル・ピルグリム!
街の手前から登りになる。ぐるっと丘を回るように歩いて、ベントーサに着いた。チェックインを待つ列の中にアヤさんがいた。約束もしていないのに、また会えるのがカミーノの楽しいとこ。でも、ずっと顔を合わせていたのに、いつの間にか会えなくなっちゃうのもカミーノ。
ベントーサのアルベルゲは、とてもかわいい建物。大きなキッチンの前には居心地のいい中庭がある。
中庭で洗濯が終わるのを待っていると、道中でちょっと話した、フレンチカナディアンの女性がサンドイッチを分けてくれた。そこにアヤさんも来たので、ひなたぼっこをしながらおしゃべり。マニェルで会ったフランス人紳士のジェラールと、南アフリカ人のアンディも現れた。このアルベルゲの中庭、緑がいっぱいで、こじんまりしていて、和やかで、とても居心地いいなあ。
隣のテーブルでは、イギリス人の家族3人連れが、それぞれ本を読んだり、近くの人と会話をしたりしながら、思い思いに過ごしている。お父さんと、20代前半くらいの息子さんと娘さん。息子さんのほうは自閉症気味なようで、妹さん(たぶん)がちょいちょい世話を焼いている様子だった。
この家族はロス・アルコスでも見かけていて、その時は話をしなかった。3人は一緒にはいるけど、お互いあまり会話をするわけではない。お父さんは周りの人とにこやかに話をしているけど、子供たち2人は割と無表情で、正直、そんなにカミーノを楽しんでいる感じがしないなあと思っていた。お父さんに連れてこられたのかなあ?
ずっと仏頂面だった妹さんが、急に私たちのほうにやってきて、お茶を差し出してくれた。
「ミントティーを作ったんだけど、よかったらどうぞ。庭に生えてるミントを使ったの」
あ、ありがとう。いただきます。
飲んでみると、ほんのり甘くて、さわやかでとってもおいしかった。
「すごくおいしい!甘さが絶妙!」
「よかった。キッチンにまだあるから、おかわりしてね」
そういうと妹さんはにっこり笑った。超かわいい。さっきまでの仏頂面とのギャップがすごい。ごめん勝手に機嫌悪いと思ってた...
お兄さんのほうもちょっと独特だったのもあり、あー、なんか、「話しにくそう...」と思ってしまってごめんよ... 私だってどっちかというと無表情で「第一印象が怖い」と言われたこと何度もあるのにな。ミントティーのお礼に、名前を書いてホタテ折り紙を渡すと、2人ともとても喜んでくれた。
そのあとまた大雨。ここんとこ毎日のように、夕方になるとにわか雨が降る。ディナーは、アヤさんと外のレストランに何か食べに行くつもりだったけど、アンディが「パスタ作るから食べない?」と誘ってくれたので、アルベルゲのキッチンで一緒にいただくことにした。
ディナーでは今日も100%カミーノ話。アンディが言う。
「今日は、途中で会った巡礼者としばらく並んで歩いたけど、20分くらい、お互い一言もしゃべらなかった。一緒に歩いているからって、別にしゃべる必要なんてないんだ。こういう時間がいいんだよな」
せやねー。ふだん誰かといると、沈黙の時間を作らないよう、何かしゃべることをひねり出すことも多いけど、カミーノでは初めて会った人でも、気まずくなることなく黙ったまま一緒にいられる。
うん。カミーノでは、そんな時間をたくさん過ごした。
イギリス人家族のお兄さん、マーリンが、「みんなで写真を撮ろうよ」とスマホを取り出した。妹のサミーが「私が撮ってあげる」と椅子に乗ってスマホを構える。マーリンが、写真を送るから、とFBのアカウントを教えてくれた。マーリンのFBには家族や、ほかの巡礼者と一緒に、時には道の途中で、ひとりで粋に構える彼の写真がよくアップされていた。どの写真でも、彼はいつも楽しそうだ。全然無表情なんかじゃなかった。
【本日のアルベルゲ】Albergue San Saturnino 11ユーロ
内装がちょっとカントリー調でかわいい。水回りもきれいで広いし、キッチンも大きいし、1階には大きなリビングルームもある。しかしとにかく中庭が最高。ぜひミント摘んで、ミントティー作ってください。ベントーサ自体、かわいらしい静かな街なので、ここに泊まるのはおすすめ。丘の上の教会から周囲を見渡せます。