カミーノ日記2019:スペイン巡礼、フランス人の道780km + 120km

2019年4~5月、カミーノ・デ・サンティアゴ、フランス人の道を歩いてきました。ブログ内の情報はすべて2019年5月~6月時点のものです。

【Day 42: Fisterra - Lires】ゴール前夜。無人のオアシスと、どろぼう猫とリレスの夕陽とカラマリフライ

2019年5月29日(水)快晴!

 

行程:

フィステーラ 8:00 →  ブクサン → リレス 13:00

移動距離:13.3km

歩数:22421歩

ムシアまで:14.3km

 

8:00、マルちゃんと一緒に出発。

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最終目的地はムシア!

今日は14km先のリレスという村に向かう。フィステーラからムシアは30kmほどなので、本当は1日で一気に歩いて、ムシアで初の連泊をしようと思っていた。でも昨日マルちゃんがこう言った。

「私はリレスで泊まるよ。前にここを歩いたことのある友達が、リレスは夕陽がすごくきれいで、その夕陽を見ながらカラマリフライを食べられるいいレストランがある、って教えてくれたから、そこに行きたくて」

 

...なんですと。聞き捨てならない。

 

「マルちゃん!私もカラマリ食べたい!リレス泊まる!一緒に行っていい?」

「もちろんだよ。そうしよ♪」

 

というわけで、サンセットとカラマリフライのマリアージュにつられて、予定変更。

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今日も上天気です。

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さて、今日も、フィステーラを出ると、リレスまで休憩できるバルはないらしい。フィステーラの隣の街に「ここから先、バルはありませんぜ!」という看板もある。街の最後のバルには、ドリンクのみか、フルブレックファーストしかなかったので、もうちょっと軽めになんか食べられそうな、近くにあるガソリンスタンドのイートインへ。

 

そしてこのスタンドを出るとき、穴だらけになっていた手袋がないことに気づいた。さっき、写真を撮った時にはずして置いてきちゃったかな...

 

ずたぼろになって愛着もわいていて、ムシアまで連れて行きたかったから無念...

「手袋は、きっとフィステーラが気に入って、ここにいたかったんだよ」

とマルちゃんは言った。そうかもね...

 

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森を抜け、丘を越え、小さな集落に出た。お?なんか休憩所らしきものが...

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お犬さまおるな。

寄付制の無人の休憩所だった。無人だけど、生活感がすごいw

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主?

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ロバもおる。

庭の裏の方に、コンポストのトイレもある。ありがたやー。
バナナを1本いただきながら、しばしのんびりしていると、巡礼者の男性が入ってきた。

「うわ、いいところだね。ね、エンパナーダ食べない?昨日買ったんだけど、結構重いから食べてもらえると助かる」

わーい。いただきまーす。

彼はザックからホールのエンパナーダを出してナイフで切り分けてくれた。バナナもひと房出てくるw そら重いわ。

 

彼はイタリア人で、アンドレアと名乗った。彼も気功をやっていたことがあるそうで、マルちゃんと気功談議に花を咲かせている。花が咲きすぎていきなり踊り出すし、ラテンが過ぎるぜスペイン人とイタリア人よ...

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何やってんすかw

アンドレアはムシアまで行くつもりだったけど、昨晩飲みすぎて寝坊したのでw、リレスまでに変更するつもりだとのこと。

 

ということで連れが増えた。

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フランス人の道は一方通行だから巡礼者とすれ違うことはないけど、フィステーラとムシアを結ぶ道は、ときどき巡礼者とすれ違う。また前から1人女性が歩いてきた。

「ブエン・カミー...ノ... テーーーレーーーサーーー!」

「おーまいがー!ミユキー!」

中盤でちょいちょい会っていた、米豪コンビの片割れ、テレサだった。フォンセバドンで会ったのを最後に、全然会わなくなってしまったのに、この山の中ですれ違う?

「ミユキはどこに行っちゃったんだろうねって、コリーンと話してたのよ!サンティアゴで、みんなでディナーに行ったから、呼びたかったんだけど。そういえば連絡先知らなかったって気づいて...」

そうなんだよ、連絡先知らなくてもしょっちゅう会うから、交換するタイミング逃しちゃうんだよ、それでいつのまにか会えなくなっちゃうんだよ。ま、それはそれでありだと思うけど。

 

せっかく会えたので、ここでようやく連絡先を交換し、一緒に写真を撮った。写真を撮ったこともなかったね。この先、またどこかで会うことがあるのかどうかはわからないけど、カミーノで会った人には、最後こう言うことになる。

「またどっかの道で会えるといいね」

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もう海がな...海の色がな...

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いやもう...景色がよすぎる。

2日に分けて、ゆっくり歩くことにしてよかった。

 

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リレス到着ー!

「海に沈む夕陽とカラマリ!」しか思ってなかったから、海辺の街かと思っていたけど、リレスは深い入り江のそのまた奥にある、内陸部分にある村だった。海までは歩いて25分くらい。

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坂道ぐるぐるのかわいい村。

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まずはアルベルゲにチェックイン。

【本日のアルベルゲ】 Albergue As Eiras 12ユーロ

 

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レストラン併設。めっちゃきれいなアルベルゲ。シャワーが、一瞬使い方がわからないくらいモダンw

いつものように洗濯をすませ、さっきテレサが教えてくれた「リレスで食べためちゃくちゃおいしいサンドイッチ」を探しにお出かけ。マルちゃんはまた「マイ・ストーン」を探しに海まで行くので別行動。

 

道が迷路みたいに入り組んでいる村だけど、ちいさいのでお店はすぐみつかった。めっちゃかわいいんですけど!

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かわいいー、し、メニューも豊富!

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きゃー!おしゃれなサンドイッチ来た!黄身とろとろでうまー。

だがしかし!私のこのサンドイッチを狙う悪い子がいる!

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おまえか!

この子、まじで、執拗に食べ物狙ってきますw

 

あー天気いいし静かだし景色いいし空気おいしいしサンドイッチうまいし猫おるし幸せー。

 

このバル最高ですほんと。隣のキャビンは宿泊できる。

Restaurante & Bar A Braña

 

ゆっくりお茶を飲んで、マルちゃんに合流しに海に向かう。

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しばらく浜辺でまったりしたあと、一段高いところにあるレストランへ。周りにはなにもない。ぽつんと、小さなレストランがあるだけ。

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...すんばらしいロケーション...

マルちゃんと出会わなかったら絶対来てない場所。なんとラッキーなのでしょう...

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来たーカラマリ!とツナサラダ!

明日あと15km歩いたら、ついに、ほんとに、このひたすら歩く日々が終わる。最後の夜には最高のシチュエーションやないかこれ...

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クレデンシャル広げてみたりして...

マルちゃんの家族や友達にホタテを折ったり、メッセージを書いたりしながら、夕陽を待った。

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...きれー...

 

がしゃしゃしゃーーーん!!

席を立って、夕陽に気を取られてデジカメでばちばち写真を撮っていたら、私は段差にひっかかり、よろけてつかんだ椅子もろとも、派手にすっころんでしまったw

 

なかなか大きな音を立てたので、バルのおやっさんが飛んできた。

「...怪我はないか?」

とかなんとか(多分)、ちょっとあきれたような顔で私を見つつ、スペイン語でマルちゃんに尋ねている。

すすすみませんお騒がせして。こんな静かできれいな眺めの邪魔して、周りのお客さんも、ごめーーーん!

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暮れるーーーー

楽しかったなー。

 

ほんと楽しかったなー...........

 

 

まだ、明日1日あるけど....................

 

 

なんとも穏やかな時間を過ごし、じゃあ、そろそろ帰ろうかと精算をした。おやっさんに、まとめてお金を払ってくれたマルちゃんが言った。

「私のビールと、ミユキのコーヒーは、お店の人がごちそうしてくれたよ。さっき転んじゃったから、お見舞いだって」

 

...おやっさーーーーーーん (´;ω;`)…!

むちゃすぐらしあーーーーーーーーーーす!!

 

フィステーラとムシア間を歩くなら、ぜひぜひ、リレスで泊まってこのレストランに行ってほしい...

あの夕陽を眺めるためだけでも、リレスに泊まる価値はある。

 

Googleマップにはのってない。けどここです。

Bar Playa Lires

 

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あと1日。あと15km。