カミーノ日記2019:スペイン巡礼、フランス人の道780km + 120km

2019年4~5月、カミーノ・デ・サンティアゴ、フランス人の道を歩いてきました。ブログ内の情報はすべて2019年5月~6月時点のものです。

【Day 27: Rabanal del Camino - Molinaseca】鉄の十字架に煩悩をひとつ置いて来た

2019年5月14日(火)

 
 
 
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Camino Day 27 Leave everything you don't need, here. いらないものはみんなここにおいていけばいいよ。 #camino #caminofrances #buencamino

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行程:

ラバナル・デル・カミーノ 7:30 → フォンセバドン 8:30 → 鉄の十字架 → エル・アセボ・デ・サン・ミゲル 11:00 → リエゴ・デ・アンブロス → モリーナセカ 15:40

移動距離:25.6km

歩数:42776歩

サンティアゴまで:219km

 

 今日はなかなかアップダウンのあるルート。標高1200メートルのラバナルから、5kmちょいで1500メートルまで上がる。そのあと1000メートルまで下って、もしモリーナセカまで行くならさらに200メートル下る。

 

しかも今日は「鉄の十字架」というカミーノのシンボルみたいなところを通る。道中に背の高い十字架が設けてあり、自分の家から持ってきた石や貝殻を置いて、道行きの安全や、自分の望みを願ったりする場所。カミーノに来ようと思ったきっかけの映画でも印象的な場面だった。石は持ってきていなかったので、途中で拾った石と、貝殻代わりに願いを書き付けたホタテ折り紙を置こうかなと思っていた(ほんとは石か貝殻など、自然に還るものしか置いちゃダメです)。

 

今日は私にとっては区切りになる日。煩悩をひとつ置いていきたいから。

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鉄の十字架までは6kmほど。できれば早めに着きたかったけど、結局いつもと同じような時間に出発。

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1時間ほどでフォンセバドンという街に着いた。一時は廃村のような状態だったけど、アルベルゲなどを整備してよみがえった村らしい。どうりで、古い石造りの建物が並んではいるけど、道などは新しいし、朝ごはんに入ったバルの前も大々的に工事中だった。

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ほんとに毎日こればっか食べてるな...

バルでテレサに会った。アメリカ人のテレサは、オーストラリア人のコリーンとカミーノで出会って仲良くなって、しばらく一緒に歩いていたけど、レオンでいったん解散。

「私もコリーンも、自立した人間だから、一緒にいるのも楽しいけれど、それぞれの時間も尊重したいのよ」ってそのとおりだね。そういう、べったりじゃない距離感をごく自然にに取れるのがいいな。

2人とも60歳前後かな?カミーノでは、旦那さんをおいて、ひとりで来ている50~60代の元気な女性にたくさん会う。みんなめっちゃパワフルだし、楽しそう。アルベルゲでは、おうちに置いてきた旦那さんとスマホでチャットしたり、電話したりして、仲良さそうで、こうしてお互いに独立して好きなことできるのって、いい関係だなあと思う。

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鉄の十字架の前に木の十字架あった。

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鉄の十字架まではずっと上り。

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そして鉄の十字架は突然現れた。

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ん?んん?

ものすごく神聖な雰囲気の場所をイメージしていたんだけど、すぐそばを車道が通っていて、ぴかーーーーんと明るい空の下で、たくさんのグループがきゃっきゃいいながら記念写真を撮りまくっていて、なんかちょっと思てたんと違う...

 

おまけに、塚のうえでビブスを着た係員さんが、巡礼者が置いて行ったさまざまなものを拾い集めて、袋に入れてゴミ箱に運んでいる。

 

舞台裏と言うか、見てはいけないものを見てしまった感じ。...ちょっと、来る時間帯ミスったかな。ここ、たぶん早朝とか夕方とか、あまり明るくなくて人が少ない時間帯に来た方がいいのかも...

 

置かれているものも、ひとつひとつは大切な思い出の品なんだろうけど、みんなが置いて行ったら、処分しないとすぐゴミの山になっちゃうもんね。そりゃそうだ。

 

私も、思い入れをがっつりしたためた折り紙で折ったホタテを置いて、ここで自分の気持ちに終止符を打とうと思っていた。なにかしらの儀式が必要だったから。でも、なにをもめてるかしらないけど、係の人と巡礼者が大声で言い争っている声も響き渡ってるし、この明るさとたくさんの人でド観光地っぽい雰囲気でもあり、すっかり拍子抜けしてしもうた。

 

ま、一応石と折り紙を置いて、じゃーな、とつぶやいてみた。折り紙はすぐに係の人につまみ上げられて、ゴミ箱に捨てられるんだろう。でもまあ、私のつまんない執着心なんて、そうやって、ひょいひょいっと処分してもらうくらいでむしろちょうどいい。

 

儀式終わり!

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ばいばーい!

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十字架の横には小さなチャペル。この前でめっちゃ大声でケンカしてたw

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ここからは下り。紫の花と黄色い花がたくさん咲いている。黄色いのはエニシダ。カミーノの矢印は、このエニシダの黄色い花から来ていると聞いた。昔はエニシダの黄色い花をたどってコンポステーラまで行っていたから、黄色い矢印になったんだって。本当かどうかは知らないけど、確かに、エニシダのある道が続いている。

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山肌が一面紫。雪山も見えてきた。

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山の中に、突然手作り感あふれるアルベルゲ。

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急坂降りたらアセボの村。

ぺったんこの道も好きだけど、山道もいいなー。

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古い街並みがいい雰囲気。

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と、急にめっちゃモダンな、リゾートホテルみたいなアルベルゲが出てきた。前の日に、「プールのある豪華なアルベルゲ」があるって誰か言ってたけど、きっとこれのことだな。

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今日はやっぱモリーナセカまで行く感じかな。

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山道から急に村になるアンブロス。

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こんなに下り続けたのひさしぶりー!でも変化があって楽しい。

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モリーナセカ見えてきた。

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アルベルゲに荷物を置いて、いつものように街歩き。

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水がきれい。ここでぼーっとしたい。

 

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お遍路さんと提携してる?

モリーナセカで印象的だったのは、強烈な西日とお猫さまたち。

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西日に照らされて、なんかふわふわしたものがいっぱい。

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アルベルゲにはキッチンがなかったので、川沿いのレストランへ。せっかくなので、眺めのよいところでごはんを食べたかった。

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川を望むナイスロケーション。ローカルフードだよ、とすすめられたお肉料理をいただいた。確かChichos con patatasって名前だったかと。ちょっとしょっぱかったかな。

【本日のアルベルゲ】Albergue Compostela 9ユーロ

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1階と2階にあるベッドルームは大部屋ではあるけど、ベッド4つずつくらいに区画分けしてある。2階に電子レンジだけはあるけど、キッチンはなし。シャワールームはめっちゃ大きくてきれい。

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