カミーノ日記2019:スペイン巡礼、フランス人の道780km + 120km

2019年4~5月、カミーノ・デ・サンティアゴ、フランス人の道を歩いてきました。ブログ内の情報はすべて2019年5月~6月時点のものです。

【Day 11: Grañon→Tosantos】すべての巡礼者の無事を祈る特別な夜

2019年4月28日(日)めっちゃ晴れ

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

Camino Day 11 A Spanish lady whom I met on the way strongly recommended to stay at this albergue, saying that it is a special place, so I did. Peregrinos cooked dinner together, and after dinner, we read the prayers of other peregrinos who had stayed here, in our own languages to pray for aIl peregronos. It was indeed a special night. 道中で会ったスペイン人の女性に、「特別な場所だからぜひ泊まってみて」と勧められたトサントスのアルベルゲ。宿泊者全員で夕食を作り、ディナーのあとは屋根裏の小さなチャペルで、ここに宿泊した巡礼者がそれぞれの言葉で書き置いていった願いを1つずつ読み上げ、巡礼者たちの安全を祈る、特別な夜。 #caminofrances #camino #buencamino

Miyuki(@pechinda_rosa)がシェアした投稿 -

 

 

 行程:

ラニョン 7:50→ビジャマヨール  →ベロラド→トサントス 13:30

移動距離:20.5km

歩数:33728歩

サンティアゴまで:535km

 

ラニョンのアルベルゲでセルフサービスの朝ごはんをいただいて出発。雲ひとつないどピーカン!

f:id:pechinda:20200406005126j:plain

まっすぐのええ道ー!

今日の道はフラットだし、風はないし、空の青と緑がめっちゃきれい。

f:id:pechinda:20200406005215j:plain

 

f:id:pechinda:20200406005318j:plain

 

f:id:pechinda:20200406005404j:plain

愛い奴。

小さな街を2つ抜けて、ビジャマヨールでトルティージャ休憩。幹線沿いのホテルに併設されたレストランだったのでカフェ・コン・レチェとあわせて4.3ユーロと、少しお高めながらとてもおいしかった。特にパンが!

ここで、ちょいちょい宿が一緒になるチャイニーズカナディアンのパットに再会。お友達と歩いている年配の女性で、アナウンサーみたいにきれいな話し方。彼女たちはずっと荷物運びサービスを使っているので、いつも次の宿を予約しながら歩いている。途中バスを使うこともできるし、フランス人の道はいろんな歩き方ができるからよいね。誰でも無理せず歩ける。まあ、とはいえ、後半だいぶずたぼろになりつつ歩いている人たちも増えてくるんだけど...

 

「あなたは、いつ会っても本当に楽しそうね」

とパットに言われた。私はそんなに表情が豊かなほうではないし、社交的でもなくて、そんな風に言われることはほぼないから、ちょっとびっくりした。でも、確かにカミーノに来てから、毎日ただ歩いているだけなのに心から「幸せだなー」って思うし、いろんな人と出会ってちょこっと会話したりするのも、楽しくてしょーがない。

 

やっぱ精神状態って如実に顔に出るのね...

f:id:pechinda:20200406010032j:plain

あまりに空がきれいなので、The Yellow Monkeyの「空の青と本当の気持ち」を歌いながら歩いた。

 

今日はトサントスを目指す。

ログローニョに泊まったとき、スペイン人の女性に「ここは特別な場所だから、ぜひ泊まって」とすすめられたアルベルゲに行くつもりだった。一緒に話をしていたアヤさんも絶対泊まりたいと言っていたから、もしかしたらまたここで会えるかな、と思ったけど、結構先まで行っているみたいで、「残念だけどスルーする」とメッセージが来た。あー、この先、もうアヤさんには会えないな...

f:id:pechinda:20200406011232j:plain

f:id:pechinda:20200409031333j:plain

ベロラドはカラフルな落書きがいっぱいのかわいい街。

 

13:30にトサントスに到着。アルベルゲに入ると、ホセ・ルイスさんというオスピタレロが迎えてくれた。

f:id:pechinda:20200406011856j:plain

 この日は一番に着いたので、好きな場所を確保できる。このアルベルゲはベッドではなく、床にマットを敷くタイプだったのでちょっと離れた場所を確保できてラッキー。

f:id:pechinda:20200406015935j:plain

トサントスはほんとに小さな街で、バルも見当たらない。街にもうひとつある新しいアルベルゲをのぞいたら、そっちにはカフェが併設されていたので、ここでランチ代わりにカラマリフライをつまむ。こっちのアルベルゲは、モダンでいまどきのホステルっぽい作り。宿泊者もお酒を飲みながら、音楽や日光浴を楽しんでいる。だいぶ雰囲気ちゃうなー。

 

f:id:pechinda:20200428141809j:plain

コーヒーを飲みながら日向ぼっこをして、元のアルベルゲに戻る。18時から夕食の準備。朝、バルであったパットにも再会。今日は8人ほどで、ホセさんの指示のもとみんなでごはんを作る。メニューはニンニクのスープ、サラダ、トルティージャ

f:id:pechinda:20200406020938j:plain

水色のジャージがホセさん。

ニンニクスープは、かぴかぴになった古いパンをおいしく食べるための料理。ホセさんはほんとにかっぴかぴになったパンを大切そうに砕く。そして料理をしながら、巡礼者の歌を歌ってくれた。美しい声が朗々と響く。パットはスマホで録音し、この日初めて会ったスペイン人のソーニャは、感動のあまり涙を浮かべている。

f:id:pechinda:20200406022140j:plain

こちらニンニクスープ。

f:id:pechinda:20200409031225j:plain

いただきます。

夕食のあとは、屋根裏にある小さなチャペルで小さなミサ。ホセ・ルイスさんが、割れまくってテープで補修してある古い箱を開ける。中には、いろいろな国ごとに、それぞれの言葉で書かれたメッセージが入っている。これまでにここに泊まった巡礼者が、願いを書いていったもの。ホセさんはひとりひとりに、自国語で書かれた手書きの願いを手渡す。そして、ひとりずつ、自国のことばで、自国の巡礼者の願いを読み上げる。私も日本語で書かれた願いを読み上げる。

 

いつ、誰が書いたかもわからない願いを、自分の声で読み上げるのはとても不思議な気がした。でもその人の願いを、たとえ言葉はわからなくても、ここにいるみんなに伝える役割を担っている。ホセさんがまた歌を歌い、そしてすべての巡礼者の無事を祈る。

 

質素な屋根裏のチャペルは、確かに特別な場所だった。ここに泊まってよかったなー。

 

【本日のアルベルゲ】Albergue Parroquial Tosantos  寄付制

とても質素で、穏やかな時間を過ごせるアルベルゲ。ものや食べ物を本当に大切にしているのがよくわかります。カミーノならではの特別な時間を過ごせる場所なので、ぜひ泊まってみてください。