カミーノ日記2019:スペイン巡礼、フランス人の道780km + 120km

2019年4~5月、カミーノ・デ・サンティアゴ、フランス人の道を歩いてきました。ブログ内の情報はすべて2019年5月~6月時点のものです。

【Day 15: Tardajos - Hontanas】真っ青な空と、白い道。びばメセタ!そして地中都市みたいなオンタナス

2019年5月2日(木)晴れ

 
 
 
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Camino Day 15 Finito! Call it a day! とーちゃーく!本日はここまで! #caminofrances #camino #buencamino

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行程:

タルダホス 7:30→オルニージョス・デル・カミーノ 11:00→オンタナス 13:00

移動距離:20.9km

歩数:31886歩

サンティアゴまで:459km

 

ブルゴスからレオンまでは「メセタ」と呼ばれる台地が続く。360度なーんにもないところを、白い道がすーっと貫いている。木があんまりないから日陰もない。夏はさぞかし暑いんだろうな...

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ずっとこんなんよー。

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ここまで何人もの巡礼者から「メセタは退屈な道」とか、「メセタはバスでスキップする人も結構いる」と聞いていた。でも、私は普段こんなになんにもないところを見ることがない。目に入ってくるのは空の青と、麦の緑と、道の白だけ。聞こえてくるのは風の音だけ。風が止めば、なーーーんにも聞こえない。

 

メセタめっちゃ好きやー!

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やだー手つないで歩くなんてうらやましいやーん。

ほとんど1本道だから迷うことはないはずなんだけど、時々、ルート外の農道と交差する。そんなときに、こんな風にわらわら道しるべ出てくると、かえって迷っちまうんですけど...

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えーとどっちに進めばいいんでしょうか...

このトラップにみごとにひっかかり、しばしルートをはずれてうろうろ。だいぶ歩いてから間違いに気づいて引き返したり。それでも

 

メセタめっちゃ好きやー(2回目)!

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ザ★1本道。

10kmほど歩いたところで、オルニージョス・デル・カミーノに到着。

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ここで朝ごはん。いつものトルティージャ。ここのも半熟でめっちゃ好み。

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コーヒーとともに2.8ユーロ。我ながらよく飽きないよね。

Casa rural la casa del abuelo

 

ここからはいくつか、テーブル状の丘を上ったり下ったり。高低差はそんなにないけど、一面見渡せるので気持ちいい。

 

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延々こんな。

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はいまだまだー!

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なんにもないなんにもなーい

なんにもなーい!とずんずん歩いていたら、突然、前方に足元からふわっと、浮き出るように街が現れた。

ほんとに、ふわっと。

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UFOっぽくない!?

ぬあああああああ!なんじゃこりゃー!

いないいないばぁ的に、いきなり今日のゴール、オンタナスに着いてしまった。このときの背筋がぞわわわっとする感じ、今でも鮮明に思い出せる。

 

メセタ最高やーん!

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坂を下って街に入り、アルベルゲにチェックイン。洗濯をしてお散歩に出る。なんだかとっても雰囲気のいい街だ。私は殴り書きで簡単な日記を書いていたんだけど、前日、ボールペンのインクが切れてしまった。ペンを買おうとお店を探したけど、売っているところはなかった。仕方ないので、バルのお兄さんにペンを借りる。

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街の入り口に、眺めのいいテラスのあるバルがあった。さっきコーヒーを飲んだばかりだけど、場所が気に入ったので再びお茶をする。となりのテーブルに、熱心に日記を書いている男性がいた。シアトルから来ているアメリカ人で、去年に引き続き、2年連続でフランス人の道を歩いているという。

 

「日記はね、書いておくといいよ。帰ってからでもいい。僕も去年は、歩き終ってしばらくたってから書き始めたんだけど、いろいろ思い出すこともあるし、振り返って初めて気づくこともあるし。記録しておくといいよ」

 

うんわかった。この街ほんとステキだよね。今日歩いた道もすごく心地よかった。メセタは退屈だよっていうけど、私は好きだな。

 

「そう?そう思う?そう思っていられるのは今だけかも...あ、でも確かに、今日の道はよかったね。明日もいい道だよ。その後はね...どうかな」

 

彼はちょっと「うぇぇーっ」という顔をして、笑った。ちょっと、驚さんとってよ。

 

「レオンから先は、すばらしい道が続くよ。どんどんいい道になってくる。サリアから後は...もう最高だよ。あ、それから、オ・セブレイロには絶対泊まって!ここはマスト!すばらしいところだから!」

 

シアトル兄さんの目がきらきらして、夢見る瞳になっている。2年連続で来てるくらいだから、よっぽどよかったんだろうなあ。こんな風に語られるとこの先も楽しみだなー。

 

アルベルゲに戻って、予約しておいたディナーを食べにレストランに降りた。部屋は巡礼者でいっぱい。どこかに相席させてもらおうとぐるっと見渡すと、前日タルダホスのレストランで会ったレネーがいた。4人掛けのテーブルでちょうど1席だけあいていたので、混ぜてもらう。同じテーブルにいたのは、スキンヘッドのアイルランド人のおっちゃんと、ニヒルな感じのロン毛のアメリカ人男性。

 

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パエリア。前菜です。このあとお肉料理食べておなかいっぱいw

メヌーは選択肢豊富で、味もよくて大満足。めっちゃしゃべるアメリカーンなレネーと、カミーノにもう何度来てるかわからないというベテランペレグリーノなアイルランドおっちゃんと、西海岸のロックミュージシャンっぽい雰囲気のロン毛兄さんのかけあいはなんだかおもしろかった。

 

レネーが「膝が痛くなってきた」というので、持ってきていた湿布を何枚かあげた。一応持ってきたけど、私はもうたぶん使うことなさそうだし、結構重たいので、使っていただけるとありがたい...ひどくならなければいいけど...

 

オンタナス...フランス人の道で泊まった街の中で一番好きかもしれない。

カミーノにまた戻りたいなと思ったとき、一番に思い出すのはここの景色。

 

【本日のアルベルゲ】Mesón Albergue El Puntido 6ユーロ

6ユーロと安いのに、清潔でとても居心地のよいアルベルゲ。ロッカーもあるし、ベッドとベッドの間が広くとってある。アルベルゲの裏手には、街を一望できる小さな公園がある(2枚上の写真)。

メヌーは11ユーロで、前菜やメイン、デザートを数種類の中から選べて、とてもおいしい。オンタナスは静かな、すてきな街なのでぜひ泊まって。